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【パーキンソン病の食事介助】食事のペースが遅い・時間がかかる時の対応のコツ

【パーキンソン病の食事介助】食事のペースが遅い・時間がかかる時の対応のコツ

「食事の途中で動きが止まってしまい、1時間以上かかってしまう…」

「全部食べさせようとすると、お互いにぐったり疲れてしまう…」

このような「食事のペース」に関するお悩みはありませんか?

食事に時間がかかるのには、筋肉の疲労や認知機能の変化など、さまざまな理由が隠れています。今回は、お互いの負担を減らしながら食事を進めるための介助のコツをご紹介します。

1. 食事の制限時間は「30~40分」が目安

「せっかく作ったのだから完食してほしい」と思うのは家族の愛情ですが、長く食べ続けるのは実はとても危険です。

飲み込むための「のどの筋肉」はとても疲れやすく、長引けば長引くほど疲労がたまり、後半になると飲み込む力が落ちて誤嚥(ごえん)のリスクが高まる可能性があります。食事時間は「長くても30~40分程度」を目安にし、時間が来たら勇気を持って切り上げることも大切です。

2. 食事が進まない時の「介助の工夫」

ペースが落ちてきた時は、以下のポイントを見直してみましょう。

  • 「のど仏」の動きに合わせて次を運ぶ: 介助のテンポが早すぎても遅すぎても疲れてしまいます。「ゴクン」とのど仏が上下に動いて飲み込んだのを確認したら、次の一口をスプーンで差し出すと、スムーズなリズムが生まれます。
  • 一口量を少なくする: 一度に口に入れすぎると処理しきれなくなります。一口量はティースプーンに軽く一杯(3〜5g)を目安にしましょう。
  • 手添え介助(一緒にスプーンを持つ): 途中で手が止まってしまう場合、ご家族が手を添えて一緒にスプーンを口元へ運ぶ動きをアシストすると、身体が動作を思い出して再び食べ始められることがあります。

3. 足りない栄養は「間食」と「高カロリー化」で

30分で切り上げて足りなかった分の栄養は、1日のお食事の回数を分ける「少量頻回食」で補いましょう。

おやつの時間に栄養補助食品のゼリーやプリンを取り入れたり、お粥にMCTオイル(中鎖脂肪酸)を混ぜたり、ご飯を牛乳で煮込んでコンソメなどで味をつけてリゾット風にしたりすることで、食べる量が少なくても必要なエネルギーを確保できます。

完食よりも「疲れず美味しく」を大切に

「食」は生命維持の手段であると同時に、人生の大きな楽しみでもあります。完食することにこだわりすぎて食事の時間が長引くと、かえってご本人の疲労を招き「食べる意欲」を奪ってしまうことになりかねません。

今回ご紹介した「30~40分の目安」や介助の工夫を取り入れ、無理なく続けられるペースを見つけてみてください。

しかし、食事が進まない原因は、お薬の影響や病状の進行など人によって様々です。対応に迷った際は一人で抱え込まず、医師やケアマネジャーに相談してみることを強くお勧めします。

草野 由紀
筆者情報

草野 由紀

言語聴覚士

保有資格:NST専門療法士、日本摂食嗉下リハビリテーション学会認定士、がんのリハビリテーション研修修了

1993年神戸総合医療専門学校卒業。主に急性期病院にて言語聴覚士として勤務したのち、2025年NSイノベーションズ株式会社に入社。Enjoy Eatingプロジェクトの一員として活動。

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