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【パーキンソン病の食事の注意点】むせと窒息の違いは?食事中の緊急サインと正しい対応

【パーキンソン病の食事の注意点】 むせと窒息の違いは?食事中の緊急サインと正しい対応

食事中に激しくむせ込んでしまったとき、慌てて背中を叩いていませんか?

実は「誤嚥(ごえん)」と「窒息(ちっそく)」は似ているようで全く異なる事態であり、誤った対応はかえって危険を招くことがあります。今回は、命を分ける2つのサインの見分け方と、いざという時の正しい対応について解説します。

1. なぜ「むせた時に背中を叩く」のは危険なのか?

食事中のむせは、気管に入りそうになった異物を外に押し出そうとする、体の重要な防御反応です。

激しくむせている最中に背中や胸を叩いてしまうと、せっかく押し出そうとしていた食べ物を, かえって肺の奥深くへ落とし込んでしまう危険性があります。むせている場面に遭遇したら、まずは前かがみの姿勢をとらせて、本人の咳(せき)の力で出し切れるようにするのが基本です。

2. 「誤嚥(ごえん)」と「窒息(ちっそく)」の決定的な違い

対応を間違えないために、最も重要なのは「声」と「咳」の確認です。

  • 誤嚥の場合: 苦しそうに激しく咳き込みますが、声は出すことができます。この場合は前傾姿勢で吐き出せるようにします。
  • 窒息の場合: 空気の通り道「気道」が塞がれてしまうため、有効な咳ができなくなり、声も出せなくなります。

また、窒息の典型的なサインとして、親指と人差し指でのどをかきむしるような仕草(チョークサイン)や、酸素が足りずに顔や唇が青ざめる(チアノーゼ)といった症状が急激に現れます。

3. 窒息サインを見つけたら!一刻を争う緊急対応

声が出ず、チョークサインが見られたら、それは5分前後で心肺停止に陥る恐れのある緊急事態です。すぐに救急車と周囲の応援を呼び、到着を待つ間に以下の異物除去を開始してください。

  • 背部叩打法(はいぶこうだほう): 前傾姿勢をとらせ、肩甲骨の間を手のひらの付け根で強く何度も叩き出します。
  • ハイムリック法(腹部突き上げ法): 背部叩打法で効果がない場合、後ろから抱きかかえてみぞおちを強く斜め上に引き上げます。

※口の中に確実に見える異物がある場合のみ指で掻き出しますが、見えない奥のものを無理に取ろうとすると押し込んでしまうため避けましょう。

「いつもと違うサイン」を見逃さない冷静な目を

食事中のトラブルは突然起こります。「むせているときは前かがみで吐き出せるように背中をさすり、声が出なくなったら直ちに緊急対応を行う」という違いを知っておくことが、いざという時の冷静な行動につながります。

しかし、普段からむせが多かったり、食後に声がガラガラしたりする場合は、食事の形態や姿勢が合っていない可能性が高いです。不安な時は決して無理をせず、医師やケアマネジャー、言語聴覚士などに相談し、安全な食事環境を再確認することをお勧めします。

津嶋佑衣
筆者情報

津嶋佑衣

摂食嚥下認定看護師

保有資格:特定行為研修修了、日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士、医療的ケア教員講習会修了

2010年専門学校卒業後、急性期病院で看護師として勤務。2018年に摂食・嚥下障害看護認定看護師を取得し、ケアミックス病院で専門的ケアに従事。2025年よりNSイノベーションズ株式会社にて、看護・介護職向け教育プログラムの開発を担当。

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