毎日の食事作りは介護を担うご家族にとって大きな負担となります。特に飲み込みに配慮した調理は手間がかかり、手作りだけでは十分な栄養価を確保しにくいことも少なくありません。
市販の「介護食品」や「栄養補助食品」を賢く活用することは、手抜きではなく、安全かつ効率的に栄養を摂取するための「最善の選択」の一つです。今回は、市販品の活用術を解説します。
1. 失敗しない市販介護食の選び方
市販の介護食を選ぶ際は、パッケージに記載された「共通の基準」を目安にし、ご本人の噛む力や飲み込む力に合ったものを選びましょう。
- ユニバーサルデザインフード(UDF):
「容易にかめる」から「かまなくてよい」までの4段階で区分されています。 - スマイルケア食:
飲み込みに問題がある方向けの「赤」マークなど、色で判別が可能です。
退院後などは、病院で食べていた食事の段階(学会分類など)を管理栄養士に確認しておくと、スムーズに選択できます。
2. そのまま食卓に出せる「お助け食材」
調理の手間を省きつつ、安全に食べられる身近な食材をストックしておくと重宝します。
タンパク質源
温泉卵、魚の味噌煮缶などは、そのままでも柔らかく、飲み込みやすいです。魚の臭みが気になる場合は、チューブの生姜を入れるとよいかもしれません。
エネルギー源・補食
熟したバナナ、プリン、ヨーグルト、ポタージュスープなどは、少量でもエネルギーを補いやすく、食欲がない時の強い味方になります。
粉のスープは、規定の分量より少なめお湯を入れて溶くと、少量で全部飲めたり、少しとろみが付いたりしますので、濃い味がお好きな方にはお勧めです。具材入り(クルトンやコーンなど)の場合は、ざるでこすと簡単に粉と具を分けられます。
3. 市販品を「もっと美味しく・高栄養に」するコツ
市販のレトルト介護食をベースに、ひと工夫加えることで栄養価を劇的に高めることができます。
- 「水」の代わりに「だし」でミキサー
手作りのミキサー食を作る際、加水に水を使うと味が薄まります。だし汁を使うと、味に旨味が出て美味しく食べることができます。
― 介護者のゆとりが、食卓の笑顔を守る
「全部手作りしなければ」というプレッシャーは介護者の疲労を招き、ひいてはご本人の食事環境にも悪影響を及ぼします。
市販品を上手に組み込み、できた時間で、ぜひご本人と一緒にゆっくりと食卓を囲む時間を大切にしてください。アレンジ方法に迷った際は、管理栄養士に相談し、ご自宅の環境に合わせたアドバイスをもらうのがおすすめです。
