食事の最中や食後に、「急にぼんやりして反応が鈍くなる」「めまいやだるさを訴える」といったことはありませんか?
それは単なる疲れや眠気ではなく、食事性低血圧(しょくじせいていけつあつ)というパーキンソン病の方に起こりやすい症状かもしれません。
食べ物が胃や腸に入ると、消化吸収のために血液が集まります。通常は血圧が安定するように調整されますが、高齢者やパーキンソン病などの病気の影響で調整がうまくいかないと、急激に血圧が低下してしまうことがあります。血圧が下がりすぎると、脳へ十分な血液が届かず、「めまい」「ふらつき」「意識の低下(ぼんやりする状態)」を引き起こします。
意識がはっきりしない状態で食事をすると、飲み込みや咳をする力が弱まり、食べ物が誤って空気の通り道「気管」に入ってしまう可能性が高まるので注意が必要です。今回は、食事性低血圧を防ぐための食べ方のコツを解説します。
1. 一度に食べ過ぎない
一度にたくさん食べると、消化吸収に多くの血液必要になり、血圧が下がりやすくなります。特に、ご飯やパン、麺類などの「炭水化物(糖質)」を一度にたくさん食べると、血圧が急低下しやすくなります。主食は一度に食べ過ぎず、1回の食事量を減らして1日4〜5回に分ける「少量頻回食」を取り入れると、胃腸への血流の集中を和らげることができます。
2. ゆっくりよく噛んで、水分を摂る
急いでかき込むように食べると、胃腸に一気に食べ物が入り、急激な血圧低下を招きます。食事はゆっくり時間をかけて進めましょう。また、体内の水分が不足している(脱水状態)と、さらに血圧が下がりやすくなります。食事の前後にしっかりと水分を補給しておくことも、低血圧を防ぐ大切なポイントです。
3. 食後30分〜1時間は「急に立ち上がらない」
食後すぐは、最も血圧が下がりやすい危険な時間帯です。食べ終わったからといってすぐに立ち上がると、めまいを起こして転倒してしまう恐れがあります。食後30分から1時間程度は、椅子に座ったままか、ベッドの背もたれを起こした状態(30〜60度)でゆっくりと休むようにしましょう。
― 食事のペースと食後の休息で安全を守る
食事性低血圧は、食べ方や食後の過ごし方を少し工夫するだけで、症状を和らげることができます。ゆっくりと食事を楽しみ、食後は慌てず休む習慣をつけてみましょう。
しかし、食後のぼんやりやめまいが頻繁に起こる場合は、お薬の副作用や隠れた脱水などが影響している可能性もあります。症状が気になるときは決して一人で判断せず、すぐに医師や看護師に状況を報告し、安全な食事の進め方を相談してください。
