お粥だけでは食が進まないからと、おかずを全部お粥に混ぜて提供していませんか?
一見すると一度に口に入って食べやすそうに見えますが、ご家庭でよく見かけるこの「混ぜご飯」は、実は誤嚥のリスクを高める非常に危険な行為です。今回は、混ぜご飯のリスクと正しい工夫を解説します。
1. 水分と固形物が分離する恐怖
お粥におかずを混ぜると、口の中で水分と固形物がバラバラに動く「二相性食物」になってしまいます。パーキンソン病で飲み込む力が落ちていると、まとめるのに時間がかかる固形物を、サラサラした水分が追い越して先にのどへ流れ込んでしまい、飲み込みのタイミングが狂って誤嚥を招くのです。
2. おかずの塩分による水分
おかずの塩分でお粥の水分が外に出やすくなります。この現象により、分離した水分が先にのどへ流れ込んでしまい、飲み込みのタイミングが合わず誤嚥をまねきやすいです。
3. 「何を食べているか」わからないことの弊害
何より、全部混ぜてしまうと見た目や味がぼやけてしまい、「今、何を食べているか」が認識しづらくなります。見た目も悪くなり、食べる意欲をそぐだけでなく、脳が飲み込みの準備をするための「目で見て食べ物だと認識するステップ」を妨げてしまうのです。混ぜるのではなく、とろみあんを使って一品ずつまとめるか、おかずと水分補給ゼリーを交互に食べる「交互嚥下」を活用しましょう。
一口の「まとまり」と「味わい」を大切に
良かれと思った「混ぜご飯」は、かえって誤嚥のリスクを高め、食事の楽しみを奪ってしまう可能性があります。全部を混ぜ合わせるのではなく、とろみあんなどで食材ごとにまとまりを持たせ、目で見て味わえるようにすることが、むせの軽減や意欲的な食事につながります。
とはいえ、食材のまとまりづらさや食べさせ方に悩むことも多いはずです。困った時は一人で抱え込まず、医師やケアマネジャーに相談し、言語聴覚士や管理栄養士といった専門家の意見を聞きながら、ご本人に合った安全な食事の形を見つけていきましょう。
