看護師 山口さんのエピソード
100歳を超えた、パーキンソン病の三吉さん。
昔からビールが大好きで、お部屋に設置した小さな冷蔵庫に小さなビール缶を冷やしておられました。
「一緒に晩酌しない?」なんて看護師に笑いかける、お茶目な方でした。
しかしながら、三吉さんは疾患や廃用により、嚥下障害*1が進んでいる状況でした。
ある日、ご家族から「もうすぐ誕生日なんです。ビール、飲めるでしょうか?」と相談を受けました。
医師や施設スタッフ、ご家族で何度も話し合い、安全を最優先にしながらも「想いに応える道」を探しました。そして、飲み方や姿勢を工夫して職員付き添いの元、数口飲んでいただくサポートをすることになったのです。
お誕生日にはご家族も来られ、一緒に「乾杯!」が叶いました。三吉さんの満面の笑顔は、私の心に今も鮮明に焼き付いています。
しばらくして、三吉さんは静かに旅立たれました。でも私は今も、その”笑顔”を忘れられません。
きっと、あの「乾杯」は三吉さんにとって”自分らしく生ききった証”だったと信じています。
※エピソードに出てくる入居者様・職員の名前は、プライバシー保護のため仮称です。
*1 嚥下障害:飲み込みの力が弱くなり、誤嚥(食べ物が気管へ入ること)することが多い状態のこと。パーキンソン病などの神経難病では、病気により嚥下障害が生じる方が多くみられます。
*1 嚥下障害:飲み込みの力が弱くなり、誤嚥(食べ物が気管へ入ること)することが多い状態のこと。パーキンソン病などの神経難病では、病気により嚥下障害が生じる方が多くみられます。
