パーキンソン病では、食事の工夫と十分な栄養摂取が、体力維持・誤嚥予防・薬の効果安定に大きく影響します。
パーキンソン病は、手足が震える、動きがゆっくりになる、筋肉がこわばる、体のバランスが悪くなる等の症状がみられます。手足の筋肉だけではなく、舌や口の周りの筋肉なども含めて動きが鈍くなるため、進行するにつれ、食べ物を噛むことや飲み込むことが難しくなっていきます。
本記事では、家族が知っておきたい”今日からできる工夫”をわかりやすく解説します。
1. パーキンソン病と食事管理の重要性
パーキンソン病が進行していくと、以下のような問題が発生しやすくなります。
体重の減少
震えやこわばりにより安静にしていてもエネルギー消費が増えるため、体重減少につながりやすくなります。また、動作がゆっくりとなり活動量の低下による筋肉減少も影響します。
嚥下障害(えんげしょうがい)
筋肉の動きが悪くなることにより、食べたり飲んだりすることが難しくなり、誤嚥(食べ物が気管に入ること)や誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
便秘
自律神経の働きが弱くなり腸の動きが遅くなることと、一部の薬が腸の動きを抑えることがあるため、便秘が起こりやすくなります。
食事摂取量の減少
食事を準備することや食べること自体に時間がかかるようになったり、疲れてしまうなどの理由で、食事量が少なくなってしまうことがあります。
2. 食事の工夫
1)食形態の工夫
状態により具体的な対策は異なりますが、柔らかく調理したり、とろみをつけてまとまりやすくするなどの工夫をするとよいでしょう。
2)食べる回数や補助食品の利用
一回の食事で食べられる量が減ってきた場合は、間食などで栄養補給ができるように食べる回数を増やしたり、少量でたくさんの栄養が補給できる飲み物やゼリーなどを摂取するなども効果的です。
3)食べる時間の配慮
薬の効き具合によって症状に差がある場合は、動きやすい時間に食事ができるようにタイミングを合わせられるとよいです。
4)便秘対策
水分と食物繊維をしっかり摂り、軽い運動もしましょう。
3. レボドパと食事の関係
パーキンソン病の治療に用いられるレボドパは、食事の内容によって吸収に影響を受けることがあります。特に、脂肪が多い食品や消化に時間がかかる食事の直後は、胃から腸への移動が遅れて、薬の効き始めが遅れたり弱くなることがあります。また、牛乳などたんぱく質を含む食品と一緒に薬を飲むと薬の吸収を妨げてしまうため推奨されません。
日中のたんぱく質の量を控えめにし、夕食でしっかり摂る方法が利用されることもありますが、栄養不足を避けるために、必ず医師や栄養士と相談しながら調整することが大切です。
4. サポートのポイント
- 食事の準備をサポートする(調理方法を工夫する)
- 食事の時間にゆとりを持ち、動きやすい時に食事できるようにする
- 食べる量が減ってきた時は、食べる回数を増やしたり、栄養補助食品を利用する
- 水分と食物繊維をしっかり摂るようにする
食べ物の好みや雰囲気づくりも大切にして、楽しく食事ができるようにしたいですね。
食事のことで困った時は、一人で抱え込まず担当医やケアマネジャーなどに相談することが大切です。

