パーキンソン病の特徴的な症状の一つである「安静時振戦(あんせいじしんせん):じっとしている時に震える症状」。
この震えによって、「食べ物を口に運ぶ動きが安定せず、こぼしやすい」「うまく食べられず疲れてしまい、食事を残してしまう」といった悩みを抱える方は少なくありません。
震えが強いと、どうしても食事が億劫になりがちですが、使っているスプーンや食器を少し工夫するだけで、食事のしやすさが変わります。今回は、震えがある時の対策をわかりやすく解説します。
1. スプーンは「浅くて小さめ」が鉄則
こぼれにくいようにと、大きくて深い「カレースプーン」や「れんげ」を選んでいませんか?実はこれは逆効果です。
大きなスプーンでは一口の量が多くなりすぎます。パーキンソン病の方は飲み込む力も弱くなっていることが多いため、口の中で食べ物をまとめきれず、誤嚥(ごえん)のリスクが高まります。ボウル部が浅くて小さめのスプーンにすることで、口に入れやすく、一口の量が自然と少なくなるため、安全に飲み込むことができます。
2. しっかり握れる「太い柄」と「重さ」の工夫
手が震えていると、細い柄のスプーンをコントロールするのは至難の業です。
- 柄を太くする:市販の太いグリップを差し込んだり、ハンドタオルを柄に巻きつけて輪ゴムで固定するだけでも、しっかりと握れて動作が安定します。
- 重みのある食具:パーキンソン病の「安静時振戦」の場合、少し重さのあるスプーンを使うと動きが安定しやすいと言われています。ただし、持ち上げた時に震えが強くなる方の場合は疲労につながるため、ご本人の様子を見て調整が必要です。
3. 「大皿」よりも「小皿」を選ぶ
手の震えがある場合、大きなお皿の上で食べ物を追いかけるのは大変な労力です。小皿に盛り付けることで、すくう範囲が狭くなり、手首や腕の動きを最小限に抑えることができます。震えの影響を受けにくく、最後まで綺麗に食べきりやすくなります。
専門職に相談して最適な道具を
震え(振戦)があっても、スプーンの大きさや柄の太さ、お皿の形を工夫することで、食事のしにくさを大きく減らすことができます。
震えの強さや症状は人によって異なります。「どんなスプーンが合っているかわからない」という場合は、ぜひ作業療法士や言語聴覚士などのリハビリ専門職に相談してみてください。