”その人らしい“を叶える、人生の最期の時間に寄り添えるお仕事
リヤンド-絆-浜松東 訪問介護管理者 澤田
2023年11月にオープニングスタッフとしてリヤンド-絆-浜松東に入職。訪問介護管理者／サービス提供責任者を務める。
＜目次＞
・“その人らしい”を叶える生活プラン
・リヤンドで経験できること
・リヤンドが大切にしたいこと
私の看護キャリア
急性期病院の外科病棟で長く経験を積んできて、急性期看護は好きでした。そのまま病院で働き続ける選択肢もあったのですが、総合病院ということもあり部署異動の可能性がありました。看護師としてこの先どんな経験を積みたいかなと考えた時に、外の世界も見てみようと思ったのが転職のきっかけです。
祖父母が亡くなる前に介護が必要になりました。その時のことを振り返ると「もっとしてあげられたことがあったのでは？」という後悔が残っていました。必要な介護について説明をしてもらっても当時はなかなか理解することができず、どうしてあげたら良いのか分からないまま亡くしてしまった。十分な介護をしてあげられなかったという思いが強く残りました。そして、私の子どもが障害を持って生まれてきたことも重なり、「私が介護・福祉に詳しくなって家族を支えていく」と考えたことが介護の仕事を始めたきっかけです。
“その人らしい”を叶える生活プラン
ご利用者様を直接ケアで支える介護スタッフとして長く働く中で、「最初から最期まで関わっていきたい」という考えが強くなっていきました。
例えば、ご自宅からデイサービスに通っていた方がショートステイを使うようになり、その後介護度が重くなってきて介護施設に入所されるとする。そうした時に「この方がこれまでどんな生活をしてきたのか？どんな時間を過ごしてきたのか？」を踏まえて、”その人らしい人生の最期を迎える生活プラン”を立てたいと思うようになりました。ご家族さんやケアマネージャーと一緒になって、ご本人様がどういったことを望まれているのかを考える。ご利用者様の身体能力やご病気の状態に合わせながら、できるだけ希望に沿った形でその人らしい生活を支えていく。ケアプランの入口から最期の時間を支えるケアまで一貫して関わっていきたいという思いから、サービス提供責任者を目指しました。
サービス提供責任者としての役割
ご家族からは「ご飯がうまく食べられるようにしてほしい」や「運動不足になるから運動してもらいたい」といったご要望をいただくことがあります。私たちは日々のご入居者様の状態を観察・評価した上で、看護師やケアマネージャー等と相談した上で「筋力をしっかり維持できるようにリハビリのプランを検討してみましょう」とか「お口から食べられるように歯科医師・歯科衛生士に口腔ケアをしてもらいましょう」とさまざまな分野の専門職を巻き込みながらケアプランを検討していきます。リヤンドの施設内で私達スタッフができることだけではなく、外部の関係各所と連携しながらご家族さんのご要望に近づけるようにサポートしていくことができます。サービス提供責任者が、施設内外そしてご家族さんとの橋渡しの役割を担っています。
リヤンドで経験できること
リヤンド-絆-浜松東は、居宅介護支援事業所・訪問介護ステーション・訪問看護ステーションが併設し、24時間365日専門的な医療・介護ケアを提供することができる医療対応住宅型有料老人ホーム『住宅型ホスピス』です。がん末期の方・人工呼吸器を付けている方・神経難病をお持ちの方など医療依存度が高い方でも、住み慣れた地域、家族の近くで安心して長くお住まい続けていただくことが可能です。私が当施設を選んだ理由は、人生を締めくくる最期の時間に寄り添ってあげられる仕事がしたいなと考えたからです。
昨年11月20日に開所して間もないですが、人生の最期に寄り添う経験をさせていただいています。病状が悪化されて、最期の時を迎えておられたご入居者様が、私の顔を見つけてくれて「お風呂気持ち良かったなぁ。もう1回入れてくれよ」と声をかけてくださいました。人生を締めくくる最期の時間で、私との思い出を「良かった」と言ってくださったことがとても嬉しかったです。
ご入居者様によっては関わらせていただける時間は短い場合もありますが、その人らしい人生の最期の時間に精一杯寄り添っていきたいと考えています。そして、ご家族さんにも「ここに来て良かった」と思っていただける施設にしたいと思います。
お互いの長所を活かすチーム
リヤンド-絆-浜松東で働くオープニングスタッフたちは、色んなところで経験を積んできた方々が働いています。例えば訪問介護でご利用者様と1対1に近い形で介護をしてきた人もいれば、特別養護老人ホームや有料老人ホーム・デイサービス等の大勢のご利用者様を見ながら介護をしてきた人など、それぞれに違ったスキルや考え方を持っています。さまざまな視点からの気付きがあり、「こういう時にはこうした方が良いのではないか」といった意見を持ち寄ってくれるので、それらをうまく融合させながらご入居様にとって一番良い環境を新しく作っているところです。
看護師との連携
リヤンド-絆-浜松東には看護師も常駐しており、医療・看護の視点を学び、経験することができます。私自身、これまでいくつかの職場を経験してきましたが、看護師と介護スタッフの職種間の風通しの良さは当施設が一番良いなと感じています。訪問看護チームで話し合った情報が私たち訪問介護チームにもきちんと共有していただけますし、ご入居者様の疾患やお薬など相談したいことがある時も声をかけやすく、とても丁寧に教えてくださいます。風通しの良い環境で、ご入居者様にとって良いことを私たち介護スタッフからも看護師にどんどん提言していければと考えています。
リヤンドが大切にしたいこと
できる限り自身の力で生活できることを目指してケアを行う『自立支援』という考え方があります。
一方で、リヤンド-絆-浜松東では末期がん等を患う終末期の方が多く入居されており、自立支援の考えに固執するのではなく、残された限りある時間の中で、ご本人様・ご家族が望んでおられることを叶えてあげられる支援を大切にしてもらいたいと考えています。
ご入居者様が、今はもうベッドから動けないけれど外の景色が見たいとうご希望があれば、ベッドをキャッチアップして外を眺められるようにしてあげたり、短い時間でも車椅子に乗せてあげて散歩に連れていって差し上げたり。看護師や往診医に相談して医療的な観点での意見をいただきながら、ちょっとした希望・願いでも叶えてあげる。そんな風に考えて行動できる方が当施設には合っていると思います。
入職後のフォロー
入職後しばらくは先輩スタッフと2人でケアに入ってもらい、ご入居者様お一人お一人のお身体のこと・病気のこと・ご家族さんの望みなどを丁寧に教えるようにしています。介護の知識や技術・ケアの仕方について不安なことがあれば、何でも聞いてもらえれば先輩スタッフが一緒にケアに入ってサポートできます。
リヤンド-絆-浜松東でのお仕事に興味を持っていただける方には、「ご入居者様が、その人らしく人生を締めくくれる環境作りに関わりたい」という気持ちを一番大事に持ってもらえたらと思います。
「もう私の手だけでは介護してあげられない」
「人生の最期の時間が少しでも楽しい思い出になってほしい」
このようなご家族の気持ちに寄り添い、ご家族の代わりに関わってあげたいという気持ちがある方に来ていただけると、私は一番嬉しいです。
就職を検討中の方へメッセージ
オープン当初はご入居者様もどんどん増えていき、忙しい時期が続きました。これからはご入居者様の心に残る楽しい思い出になるような季節ごとのイベント等をスタッフみんなで企画してやっていきたいと考えています。ご入居者様が施設の中、お部屋にいながらでも季節の変化を目や耳で感じていただけるような企画をやっていきたいと思います。
知識や技術は後から付いてきますので、まずはご入居者様にしっかりと寄り添ってあげられる、人生の最期の時間を穏やかに安らかにその人らしく過ごせられるような雰囲気を作ってくれる方に来ていただきたいと願っています。
（写真・インタビュー・文：MottoBrand 福井勝雄）
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